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関西医科大学総合医療センターの山本大悟先生に最新の乳がん治療について聞いてきました!

time 2017/09/19

関西医科大学総合医療センターの山本大悟先生に最新の乳がん治療について聞いてきました!

編集長のタツです。

今回は、乳がんについての気になるお話を関西医科大学総合医療センター 乳腺外科 山本 大悟先生に伺ってきました!

この記事の目次

来る10/15(日)に関西医科大学総合医療センターでは日曜乳がん検診が行われます。

是非この機会に乳がん治療についても知っていただいて、検診を受けてみてくださいね!
2017年10月15日(日)の乳がん検診イベントについてはこちらの記事で書いています。

さて、早速伺ったお話の内容をお伝えします!

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乳がんの最新の治療ってどんな治療なの?

関西医科大学総合医療センターの山本大悟先生

山本先生こんにちは!もうすぐ乳がん検診イベントも開催されるので、最新の乳がん治療についてもお話を伺えますか?

最新の治療には最新の診断が必要!?

まず最新の乳がん治療の話をする前に、乳がんは手術だけでなく診断も重要です。
乳がん、乳腺の治療というのは診断・手術・手術の前後・術後の治療も治療の一環であると考えられ、乳腺外科では診断から行います。
そうなんですね。そこで今回のような検査が必要になってくるというわけですね。では手術前の診断についてお話を伺いたいと思います。以前と比べて、現在の診断方法に何か変化はありますか?
まず結論として、現在はマンモグラフィー検査とエコー検査の両方を行うという方法が確立されています。また期間としては専門医の中で1年に1度のマンモグラフィー検査の受診ということが標準とされています。それに加えてJ-STARTという乳がん検診の有効性を検証する比較試験では『マンモグラフィー検査のみ』と『マンモグラフィー検査+エコー検査』を比較した場合にエコー検査も加えるほうが有効という結果も発表されています。そういう意味では今後、エコー検査も加えた検査が普及する可能性が高いと考えられます。

エコー検査を受ける女性

今回の検診イベントでもエコー検査を加えることも出来ますね!まさに最新の検診イベントですね。反対に以前はどのような検診が行われていたのですか?
以前であると、触診があり実際に触って調べるということも多くありました。ただ、触診自体に効果があまり無いことも証明されています。そこで守口市の乳がん検診でも今年(2017年)の4月から触診は無くなりました。つまり、触診を受けるよりは年に1度のマンモグラフィー検査の受診、そしてそれに加えてエコー検査を行うというのが現在の診断状況と言えます。
やはり日々進化しているのですね!エコーを特に受けるべき方はいますか?
乳腺の密度が高い方は特にエコーが必要だと考えます。マンモグラフィー検査での撮影時に乳腺密度が高い方は白っぽく写ってしまい正確な診断が出来ない可能性があります。そういった意味では若い世代の方や授乳をしていない方は比較的乳腺が多く密度も高い可能性があります。
ということは、まずマンモグラフィー検査を受診してその結果で判断するのも良いかもしれませんね。それでは実際の手術についてお話をお伺いしてもよいですか?

乳がんの今までの治療とは?

乳がんの手術についてお話するにあたり、まず乳房温存術についてどんなイメージを持っていますか?
温存と聞くと乳房をそのまま残して手術するというイメージです。
分かりました。では説明します。乳房温存術においては通常、乳房の部分切除を行います。ただ、温存と聞くとタツさんのように乳房がそのまま残るようなイメージを持つ方もいらっしゃるのですが、実際には術後、乳房が凹みます。これは手術が終わった後に残った乳腺に放射線を当てるというのがガイドラインに示されており、術後1か月程経過し放射線を照射すると凹んでくるわけです。
温存という文字とは少し違うイメージになるわけですね。
確かに下着等で隠す等は出来ますし、やはり40代という子育てや仕事等忙しい日々を送る女性はとにかく乳がんを切除したいという思いに駆られることが多いかと思います。ただ、我々としてはその後の事も考えて他に方法は無いかという事になりました。そこで3年前に乳房が変形してしまう事への対策として、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会という乳腺外科と形成外科とで立ち上げた学会で新たな手術方法を検討しました。
それが最新の手術ということになるのですね。では具体的にその手術についてお話を聞かせてください。

関西医科大学総合医療センターの山本大悟先生

乳がんの最新の手術方法とは

その日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会で新たに確立された方法が、今からお話する乳房再建術という方法です。この方法を用いる事で元の乳房に近い乳房を作り上げることが可能となりました。
具体的な手術方法を教えていただけますか?
乳房付近を切開し中に風船のような物を入れ、乳頭を作り上げていくという方法です。これであれば確かに少し線は入りますが、元の乳房に近い形になります。これが現在の主流となっている手術方法です。
これはやはり自費治療となってしまうのですか?
いえ、確かに以前は自費治療として扱われていましたが、現在は学会も立ち上がっていることもあり、保険治療として認められています。その点で、今後さらに乳房再建術を望まれる方も増えていくと考えられ、乳房を失った喪失感も軽減できると期待できます。
それであれば患者さんの経済的負担も少なくて済みますね。温存術もまだ行われてはいますか?
結論としては減少しています。理由として、まず1つは先ほど伝えた部分切除を行った場合、放射線照射後に凹んでしまうこと。そしてもう1つは、部分切除を行った場合、周囲に残った部分に乳がんが再発するリスクが有るということです。部分切除したとしても、そこに乳がんが再発しないという保証はありません。現に、5年で約3%は乳がんが再発しています。
再発した場合は、再度切除する必要があるということですか?
その通りです。その後もそれを繰り返さない保証もない為、リスクを伴う方法でもあります。そういう意味では、私の考えとしてはしっかりとガンを切除し乳房も元の乳房に戻すべきであると考えています。
そのような方法もあるのですね。乳房再建術は既に日本で広く手術を受けることが可能になっているのですか?
それについては、まだまだ乳房再建術を単独で行うことが出来る医師は不足しています。施設単位でも乳腺外科の医師と形成外科の医師がうまく連携を取ることの出来る施設も多いとは言えません。そういう意味では施設によって差は出てくるというのが現状です。
こういったお話を聞いて患者さんにも選択肢があるという事を知っていただきたいですね。でもそれを患者さんの立場で調べるのは難しいかとは思いますが、何か目安等はありますか?
2014年まではメディア上で乳がんの手術件数に加えて温存率という指標が掲載されていました。そこでは温存率○○%と表示されており、中には100パーセントという表記もありました。しかし、現実として先ほどお伝えしたように100%なんていう数字はほぼあり得ない数字だと現在は考えられており、その結果として現在は手術件数と共に乳房再建率という数値が2016年からメディア上で掲載されています。患者さんとしては、やはり大きい病気ですので「早く取りたい」「時間がない」となってしまいますが、我々医師としては一度少し落ち着いて考えてみてくださいとお伝えしています。
分かりました。また乳房の機能についてですが、両者でどのように術後の影響はありますか?

乳房温存術と乳房再建術で術後の乳房機能の差は?

どちらも差はありません。なぜなら、乳房温存術の場合、手術後に放射線を照射します。その結果母乳は作られなくなります。対して乳房再建術に関しては全部摘出する為、放射線は照射しませんが乳腺が無くなるためにこちらもまた母乳は作られなくなります。
そういうことなんですね。分かりやすい説明ありがとうございます!ということは全ての人が今後乳房再建術を受けるべきということですか?

乳房再建術を受けるべき人と温存術でも問題ない人がいる?

一概にそういうわけではありません。最新の治療という話につながりますが、現在はSAVIという放射線の照射方法もあります。これを用いる事によってどういう効果があるかというと、部分切除を行った後に乳房全体に放射線を照射することによって、乳房の凹みが起きます。そこで、SAVIを用いる事によって、小さな範囲のみに局所で放射線を照射することが可能となったのです。そういう意味では、例えば1cm,0.5cm等といった極小さなガンの場合、部分でも良いのではないかと考えられます。範囲が小さい場合は、凹みも少なくて済むこともあります。ガンが小さい方には温存術と放射線を局所照射できるSAVIでの治療という選択肢も入ってきますね。
分かりました。やはりすべての人にこれというわけではなく、人によっては他の最新の治療もあるということですね!
患者さんの増加に伴い、診断方法、手術方法、そして薬も日々進化していっています。他にも話せることは沢山ありますね。
ありがとうございます!なかなかすべてを伝えきるという事は難しいと思いますが、非常に分かりやすい説明でした。あと、気になる方も多いみたいなのですが、検査時の被曝についてお話をお伺いしたいと思います。

乳がん検査と大きさとの因果関係

乳がん検査における被曝リスクはどの程度?

検査の被曝についてですが、基本的に日常生活上の様々な場面で人は被爆があります。例えば飛行機に乗るだけで被曝があります。そこで、乳がん検査の被曝についてですが非常に低いと考えられています。乳がん検診については厚生労働省では2年に1度の受診は問題ないとされており、我々専門医としては年に1度が望ましいと考えています。リスクベネフィットという考えにはなりますが、リスクは少なくベネフィットが多いと考えられるため、特にご家族の病歴等によっては受診を勧めています。
やはり検査によって得られる安心と健康との比較となりますね!最後に乳がんになりやすい人などはありますか?

乳房の大きさは乳がんの発症に関係ある?

関係はないですね。乳房の大小に因果関係は無く、因果関係があると証明されているのは乳腺の密度です。授乳などで乳腺量が減少した方と授乳をしていない方とで比較した場合は乳腺量が多い方に発症が多くみられています。
分かりました!それは自分たちの目視では分からない部分なので、やはり検査を受診したほうが良いですね!山本先生ありがとうございました!

関西医科大学総合医療センターの山本大悟先生

今回は関西医科大学総合医療センター 乳腺外科の山本 大悟先生に乳がんの治療や気になる事を伺ってきました!

改めて検査の必要性を知り、さらに治療法も詳しく知ることができました。

是非女性の方はもちろん、男性も知っておけば大切な人にも知っていただきたいですね!

10/15(日)関西医科大学総合医療センターで開催される乳がん検診イベントへ参加してみてください。

イベント詳細はこちらの記事からどうぞ!

病院名 関西医科大学総合医療センター
所在地 〒570-8507 大阪府守口市文園町10-15
受付時間 【初診】午前8:30~午前11:30
【再診】開門時(午前7:30)~午前11:30(特殊外来を除く)
休診日 日曜日、祝日、第二・第四土曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
公式ホームページ http://www.kmu.ac.jp/takii/index.html

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守口市の健康に関する情報を正確に伝えたいという思いを持った仲間達と編集部を立ち上げました。 毎日、情報を求めて全員で走り回っています! こんな情報あるよ!という方は編集部まで。 お隣の先生と共に守口市の健康に関する正確な情報を発信しています。

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